（１）業界の潮流について
近年、水中点検・施工の分野ではDX（デジタルトランスフォーメーション）とダイバーレス化が大きなテーマとなっています。従来は潜水士の作業に依存していた現場も、ROV（遠隔操作型無人潜水機）を導入することで、省力化・安全性向上・データ精度の飛躍的な改善が期待されています。

こうした背景から、各業界でROVを用いた実証試験が活発に行われるようになり、将来的な工法や維持管理モデルを見据えた取り組みが広がっています。

（２）実証試験のプロセスについて
ROVの実証試験は、単なる機器デモではなく、実運用を前提にした検証プロセスを踏むのが一般的です。

　①課題抽出
　　　現場の制約・安全上のリスク・効率化ニーズを整理
　②計画設計
　　　ROVの機種選定、センサー構成、運用条件を策定
　③現場試験
　　　実際の水域でROVを運用し、データ取得や操作性を確認
　④評価・検証
　　　得られたデータを分析し、工法の有効性や改良点を特定
　⑤工法開発
　　　結果を反映し、次の施工・点検モデルへと発展

このように、ROVの実証試験は「一回きりのテスト」ではなく、現場と技術の往復を通じた工法開発サイクルとして位置づけられています。

2.当社における具体的な事例

当社では、ROV MOGOOL M8やMOGOOL-PRO P3000-Aを中心に実証試験を支援しています。他機種についても要相談で対応可能です。実際の事例の一部は以下の通りです。

（１）洋上風力発電O&M工法開発（マリコン様関係）
　P3000-Aを用いて基礎部分の点検検証を実施。

（２）ダム点検作業工法開発（電力会社様関係）
　P3000-Aを活用して取水設備の内部を調査。高圧洗浄試験を実施。

（３）発電所点検作業工法開発（電力会社様関係）
　M8を活用し、発電施設の取水口の調査を実施。高圧洗浄試験を実施。

（４）養殖資源量調査工法開発（漁協様関係）
　漁場を対象に、P3000-Aを用いて魚群や資源量の調査を実施。

これらの事例から、ROVは水中施工・点検の現場におけるDX推進とダイバーレス化の実現に向けて、有力なソリューションとなり得ることが見えてきています。
また、当社では実証試験を随時募集しており、現場の課題に応じたROV導入検討をお手伝いしています。

当社のMOGOOLシリーズはベースとなるROVの機種が9モデルを展開しており、ご希望に沿ったROVを提案しやすい状況です。
下記機種や他の機種につきましては、下記の製品紹介をご覧ください

3.1　当社の推奨機種

①MOGOOL M8
・M8は、重さ17㎏と持ち運びが便利で、機動力の高いエントリーモデルとなります。湖沼や内海などの流れの少ない水域で利用することができます。
・給電式で100V電源対応のため、家庭用コンセントか発電機をご用意いただき、 電力が流れている間、ご利用することが可能です。

 

②MOGOOL-PRO P3000-A

P3000-Aは、高い推進力かつコスパが良いオススメのモデルです。パワフルな機体のため、ダム、湖沼、港湾、内海はもちろんのこと、外海でもご利用いただくことが可能です。
給電式の200V電源に対応しているため、水中可搬重量が5.5kgあるため、様々なマニピュレータやソナーを搭載することが可能です。

3.2　アフターサービスについて
メンテナンスや修理は京都の本社で実施しておりますので、安心してご利用いただけます。
ご不明な点やご質問などございましたら、お気軽にお問い合わせいただけますと幸いです。

アフターサービス

---

関連ページ