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『リニアCT』インライン検査物を止めずに断層撮影する新技術


当社では現在、「リニアCT」という新しい技術を開発しています(特許出願中、2025年6月現在)。この記事ではこの新技術の概要、導入するメリット、バッテリの断層像を例に従来CTとの比較画像をご紹介します。「リニアCT」にご興味のあるお客様はぜひお問い合わせください。

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工場のインラインで直線で流れてくる物体を検査する場合、従来のX線CTでは検査物を一旦止めて回転させ、360度(または180度)の方向から撮影したデータを集める必要があります。直線動作を止め回転撮影にも時間がかかるため効率が悪く、X線CT検査をインラインに組み込みにくいのが現状でした。
発送の転換.png
「インラインに組み込みやすくするにはどうしたらいいか?」問題を解決するには発想の転換が必要でした。「直線で流れてくる検査物は、直線動作を止めずにX線CT撮影してはどうか?そうすれば機構制御しやすく、検査も高速化できるはず」そこで「トラバースローテート方式の第2世代(*1)」のX線CTから着想を得て「リニアCT」を開発しました。
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「リニアCT」は、限られた角度の方向から撮影したデータのみで通常のX線CTに近い画像を再構成する技術です。この技術を用いれば、流れてくる検査物を撮影のために止めて回転させる必要がありません。検査物は止まることなく、20度方向のみから撮影され、そのまま流れていきます。そのため効率よく短時間で検査を行うことができます。
モバイルバッテリ外観_リニアCT記事用.jpg
実際にモバイルバッテリを撮影してみました。下記の2枚はどちらも断層画像で、一つ目が従来のCT、二つ目がリニアCTで画像再構成を行ったものです。リニアCTでは、従来CTの18分の1の角度の投影データのみで、バッテリーの正極と負極の長さを測定ができる画質が得られています。
バッテリ断層像_従来CT.png
従来のX線CTの断層像
バッテリ断層像_リニアCT.png
リニアCTの断層像

このように「リニアCT」技術は、撮影時間の短縮、投影データ収集の高速化を実現し、インラインX線CT検査の導入ハードルを大幅に下げることを可能にします。ご興味をもっていただけましたら、ぜひお気軽にご質問・ご相談ください。お問い合わせフォームまたはお電話にて承まっております。

(*1)トラバースローテート方式の第2世代 : 扇形に広がったX線ビームの中を被検体が直線移動し、 X線ビームを通り抜けた後、扇形のX線角度の分だけ被検体を回転させ、これを繰り返すデータ収集方式。


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