過去の取り組み
当社では、人と一緒に働くロボットの実現に向けて、最先端技術を保有する大学や他企業と連携し、オープンイノベーションによる技術開発を行っています。
● 補助金による取り組み
2018 スタートアップファクトリ構築事業
平成29年度補正予算「グローバル・ベンチャー・エコシステム連携加速化事業補助金(Startup Factory構築事業)」の支給対象に、当社が採択されました。
JAXA研究提案募集に採択
国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(以下、JAXA)の「太陽系フロンティア開拓による人類の生存圏・活動領域拡大に向けたオープンイノベーションハブ」の研究提案募集に応募し、採択されました。今回、当社がJAXA宇宙探査イノベーションハブの第4回研究提案募集(RFP)に応募したテーマは、「分散協調型ロボットによる製造工場等の物品供給システムの開発研究」で、57件の応募研究提案の中から選ばれた課題解決型8件のうちの1つとなりました。今後は京都大学松野研究室とJAXAとの共同研究による1年間のフィージビリティスタディ(実現可能性調査)を通じて、事業化ステージを目指します。
2019 ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金 採択
平成30年度 ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金に当社が提案した「AI画像認識技術導入による人とロボットが協働できる生産システムの開発」が採択されました。
2020 京都府 ものづくり中小企業等経営変革緊急支援事業 採択
令和2年度 京都府のものづくり中小企業・小規模事業者が実施する試作品の開発や設備投資等を支援する補助金事業に当社の作業者認識技術開発「AI画像認識技術の高度化による作業定量評価システムの開発」が採択されました。
2021 京都府「企業の森・産学の森」推進事業 採択
令和3年度 京都府のものづくり中小企業・小規模事業者が実施する試作品の開発や設備投資等を支援する補助金事業に当社の作業者認識技術開発「AI画像認識技術の高度化による作業定量評価システムの開発」が採択されました。
● 共同開発の事例紹介(一例)
京都大学・松野研究室との共同研究
京大・松野研究室と、産業用ロボティクス技術に関する共同研究開発を行っています。松野研究室のレスキューロボットは、災害現場の瓦礫が散乱した環境で走破する頑丈さ、また、被災者探索を行う極めて高度なセンシング技術を搭載しており、レスキューロボットとして世界トップクラスの技術を有しています。この技術は、当社が目指している、誰でも働くことができるようになることで労働人口を増やすことができる"人とロボットが協調しながら働く生産ライン"のニーズに合致しています。
東京大学・石川 妹尾研究室との共同研究
東大・石川 妹尾研究室と、高速画像処理技術を活用した産業用機械の自動化システムに関する共同研究開発を行っています。東大・石川 妹尾研究室が有する人間の視機能を超える高速なセンサ技術は、ロボットの知能化にとっては必要不可欠です。
和歌山大学 呉研究室との共同研究
和歌山大学 呉研究室と 3次元カメラの姿勢推定技術に関する研究開発を行っています。RGB-Dカメラなどが安価になってきており、3次元カメラ技術は作業認識やロボット制御において非常に重要な技術となっています。
立命館大学 陳研究室との共同研究
立命館大学 陳研究室と人姿勢認識、3次元物体認識などの共同研究を行っています。画像認識におけるDeep Learning関連技術が飛躍的に進化する中、ものづくり現場で実用的に活用する技術の確率を目指して共同研究を行っています。
その他
- PALO ALTO INSIGHT, LLCとの共同研究
- PARC, a Xerox Company との共同研究
- 株式会社tiwakiとの共同研究
ご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
● 原理試作の実績(導入事例)
当社では、保有技術を活用した原理試作開発の受託を行っています。
これまでの原理試作の取り組み
1. AIによるトレイ認識システム
| 項目 | 詳細 | |||
|---|---|---|---|---|
| 開発テーマ | トレイ形状・ロゴに基づく所有会社識別システムの試作 | |||
| 概要 | 多数の企業が共有する物流用トレイやコンテナについて、トレイの独自の形状、印刷されたロゴ、または特定のマーキングといった視覚情報のみをAIが学習し、トレイの所有会社名を自動的かつ高精度に識別するシステムを開発。 | |||
| 技術ポイント | 画像認識AIを用いた外観特徴抽出、リアルタイム識別処理の高速化。大量の実画像の利用に加え、かすれ、油汚れ、スクラッチなどのトレイ特有の特徴を人工的に再現する画像オーギュメント技術。 | |||
| 導入効果 | 物流センターや倉庫でのトレイの仕分け・返却プロセスにおける人的ミスを削減し、管理効率の向上。 | |||
2. AIによる壁変状認識技術
| 項目 | 詳細 | |||
|---|---|---|---|---|
| 開発テーマ | コンクリート壁面の異常(亀裂・浸水など)画像認識技術の試作 | |||
| 概要 | 橋梁、トンネル、ダムなどのインフラ設備や建物のコンクリート壁面を撮影した画像から、人間の目では見落としがちな微細な亀裂(ひび割れ)、水の浸水跡、剥離などの変状をAIが自動で検知・識別する技術を原理試作。 | |||
| 技術ポイント | 大量の実画像からセグメンテーションを行うAIモデルの開発 | |||
| 導入効果 | インフラ設備の点検作業の効率化と安全性向上を実現。早期に変状を発見することで、大規模な修繕を未然に防ぎ、維持管理コストの低減に貢献。 | |||
3. AI + ROS による 汎用物体ピッキング
| 項目 | 詳細 | |||
|---|---|---|---|---|
| 開発テーマ | 事前登録不要の柔軟な物体把持(ピッキング)技術の原理試作開発 | |||
| 概要 | 事前にCADデータや形状情報を登録していない未知の、あるいはランダムな形状の物体に対しても、AIがその形状と把持に適した箇所を瞬時に判断し、ROSを介してロボットアームが安全に物体を把持・移動させる一連の動作の原理を開発。 | |||
| 技術ポイント | 3D認識AI、把持点推定アルゴリズム、ROSによるロボット動作計画・制御。 | |||
| 導入効果 | 多品種少量生産ラインやEC倉庫など、取り扱う物品が頻繁に変わる環境において、ロボットの導入を可能にし、自動化の柔軟性を向上。 | |||
4. AI + ROS による 動体物ピッキング
| 項目 | 詳細 | |||
|---|---|---|---|---|
| 開発テーマ | 不規則に動く対象物を追尾・把持する技術の原理試作開発 | |||
| 概要 | コンベア上を高速で流れる、あるいは不規則な動きをする対象物に対し、AIがリアルタイムでその位置と軌道を予測・追尾し、その情報に基づいてROSがロボットアームの動作を計画・実行することで、移動中の物体を正確に把持する技術の原理を開発。 | |||
| 技術ポイント | 高速ビジョン処理、AIによる軌道予測、ROSによる同期制御(ビジョンとモーションの連携)。 | |||
| 導入効果 | 食品加工や部品組立など、生産ラインでの高速・非停止ピッキングを実現し、スループット(処理能力)の最大化に貢献。 | |||
5. Raspberry PI 工場制御システム
| 項目 | 詳細 | |||
|---|---|---|---|---|
| 開発テーマ | 産業用Raspberry PIを用いたローコード制御システムの開発 | |||
| 概要 | 高価なPLC(プログラマブルロジックコントローラ)に替わり、産業グレードのRaspberry PIを活用。Digital I/Oの制御、タッチパネルGUIの構築、上位システムとのTCP通信といった工場制御に必要な機能を、専門的なコーディング知識がなくても設計できるローコード開発を可能とするシステムを構築。 | |||
| 技術ポイント | 状態遷移、画面表示などの制御をWebブラウザから設定 | |||
| 導入効果 | 低コストでデジタル化・自動化された制御システムを構築可能にし、特に中小規模の工場や設備のIoT化・見える化を推進。 | |||
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